協働ロボットメーカーを徹底比較|可搬重量や価格別のおすすめロボット
人とロボットが同じ空間で協働し、生産性と柔軟性を同時に高めることができる『協働ロボット』は、中小企業から大規模工場まで自動化の新定番になりつつあります。しかし、製品群は年々多様化し、比較軸を誤るとROI(投資対効果)が大きく変わってしまいます。
本記事では総合パフォーマンス、コストパフォーマンス、可搬重量、安全性の4つの視点から主要メーカーを厳選。各テーマの冒頭では評価観点を整理し、続く紹介文で現場目線のメリットを提示します。また、ビジョンやAI統合の潮流にも触れ、導入前に押さえておきたいチェックポイントを網羅しました。ぜひ導入モデル選定の指針としてご活用ください。
メーカー別の比較表がダウンロードできます
主要協働ロボットメーカー9社が取り扱う協働ロボットの特徴やスペックが一目で比較できる資料です。
主要メーカー:ユニバーサルロボット、テックマン、ファナック、安川電機、デンソーウェーブ、JAKA、AUBO、DOBOT、ABB
目次
「総合パフォーマンス」でおすすめの協働ロボット
協働ロボットは搬送速度や可搬重量だけではなく、様々な評価要素が存在します。処理能力、拡張性、操作性、信頼性、AI統合の有無やエコシステム、保守体制など多面的に評価し総合的にパフォーマンスのとれたおすすめの3社を厳選しました。
テックマンロボット

カメラとAIを本体に内蔵した“オールインワン”設計が武器。外付けビジョン不要で位置補正や画像検査を自動化し、立上げ時間を大幅短縮する。
独自のTM AI+で学習済みモデルを即適用でき、高精度と高スループットを両立。
ISO/TS 15066準拠の安全設計により協働領域も広く、食品から電子部品まで幅広い現場で総合力を発揮。
ユニバーサルロボット

軽量・堅牢な UR e-Seriesは繰り返し精度0.03 mm、豊富なI/Oで多彩なタスクを高速処理。世界最大級の UR+ エコシステム(700種類超)で周辺機器を自在に追加できる。
直感的なPolyScopeとコンパクトなコントロールボックスで設置自由度が高く、累計10万台を超える稼働実績が性能の裏付け。認定SIパートナー網も充実し、保守体制も万全。
ファナック

CRX/CRシリーズは高速応答サーボと耐環境性能で塗装・研磨など高負荷工程も簡単に行えます。
産業用ロボットメーカー世界ランキング2位で、保守メンテナンス体制も万全。
特に交換用部品は永久対応しており、長期間の使用でも安心です。
「コストパフォーマンス」でおすすめの協働ロボット
初期投資を抑えつつ確かな生産性を得られるかは大きな判断材料です。本体価格だけでなく、標準ツールの充実度、プログラム工数削減効果、保守費など総保有コストを考慮した、早期に投資回収を狙える三社を紹介します。手軽に始められる自動化の入り口として要注目です。
JAKA

Zuシリーズは200万円台から導入でき、iPad感覚のGUIとブロックプログラミングで工数を圧縮。長寿命グリースと全軸ケーブル内蔵で保守費も低減。
ロボット導入のハードルを大幅に下げて、ロボットの迅速な導入とティーチングを実現。
DOBOT

CRシリーズは200万円台から、飲食用用途向けのNOVAシリーズは百万円半ばから導入ができ、電動グリッパやビジョンキットなど豊富な周辺機器が魅力。
ブロックプログラミングでスマートフォン・タブレット・PCでの操作も可能。教育利用実績も多く、低価格帯で拡張性と将来性を兼備したモデル。
AUBO

AUBO-iシリーズは±0.02mm精度を保ちつつ200万円台の価格。
中国国内の導入実績はトップクラスを誇ります。
投資回収スピードを最優先する現場や低ロット生産にも適しています。
「可搬重量(大きな重量が持てる)」でおすすめの協働ロボット
可搬重量はワークサイズの制約を左右し、多機能ラインの設計自由度を高めます。25 kg超級の重負荷モデルに絞り、速度・剛性・安全基準とのバランスをチェック。最大35 kgクラスまでの実力を比較し、搬送やパレタイジングなど高荷重工程を一台でこなすことができる協働ロボットをご紹介します。
ユニバーサルロボット

UR30は協働クラス最大級の35 kg可搬と1,300mmリーチで高可搬とコンパクトサイズを両立する新たな協働ロボット。
これまでの機能はそのままに、従来比で速度が最大30%、トルクが最大25%向上。さらに、部品点数を約50%削減したことにより、軽量化を実現。これまで自動化が困難だった用途に対しても活用が可能に。
ファナック

CRX-30iAは30 kg可搬、1,756mmリーチでIP67性能のロボット。コンパクトで限られたスペースにも設置が可能。
故障時などのパーツ供給体制は国内メーカーとして非常に充実しており、必要な部品などをすぐに手配することができ、長期間の保守が可能。
安川電機

MOTOMAN-HC30PLは30 kg可搬、1,600mmのリーチ、IP性能67のロボットです。
スマートペンダントを使用することで簡単な操作でロボットティーチングが可能。パレタイジングなどの工程で多く使用されております。
防塵・防滴仕様もあります。
「安全性の高さ」でおすすめの協働ロボット
人とロボットが同じ空間で安心して働けるかは導入成否を左右します。衝突検知応答、外装材質、第三者認証、リスク評価ツールを比較。追加ジャケットで感度を高める機構やAIによるしきい値最適化など最新技術にも注目し、ISO/TS 15066対応の最適安全ソリューションを提案します。
デンソーウェーブ

COBOTTA PROは2,500mm/sと協働ロボットの中ではトップクラスの高性能を持つロボット。
別売りのタッチセンシングソフトカバーを使用することで、衝突を高感度に検出し、ロボットを急停止することが可能。
DOBOT

CRシリーズは別売りのDOBOT Safe Skinを使用することで、10cm〜20cmの障害物を検知し、接触する前にロボットを停止することが可能。
これにより、安全性を損なうことなく、生産速度を向上できる。
JAKA

Sシリーズは、人とロボットが安全に協働できるように設計されており、力覚センサーや動作速度の制限、ISO準拠など、いくつもの安全機能を備えています。
本記事では協働ロボットを「総合パフォーマンス」「コスト」「可搬重量」「安全性」「使いやすさ」「拡張性」の六観点で比較し、それぞれに最適なメーカーを提示しました。ただし、本比較はあくまで目安に過ぎません。成果を挙げるには、ライン構成や人員体制、求める品質レベルなど工場固有の課題に合わせた機種選定が不可欠です。
セレンディップロボクロスマーケティングでは、多品種少量生産工場を中心に、工場診断・ROI試算・レンタル・教育・研修まで、幅広いサービスラインアップで貴社の協働ロボット活用を全方位から支援します。協働ロボット導入の相談はこちらからお気軽にご連絡ください。
